元々標準語だけど、大阪独特の言葉のように思われている言葉って結構あります。
「具合悪い」もそんな言葉の一つ。
「具合悪い」の意味と使い方を解説します。
目次
大阪弁?!「具合悪い」の2種類の意味
「具合」とは広辞苑によると以下の意味があります。
①ものごとの仕組みやはたらきの状態。調子。また、特に、健康の状態、加減。
②ものごとのやり方。方法。また、できあがった様子。
③ものごとのなりゆき。都合。体裁。
このうち後ろに「悪い」がついて「具合悪い」という言い方をするのは①と③の場合です。
それぞれの場合を見ていきましょう。
大阪弁?!「具合悪い」の意味①
「調子。特に、健康の状態、加減。」の意味の「具合」に「悪い」がつくと、当然、「調子が悪い」「体調が悪い」の意味ですね。
こちらがもっとも標準的な使い方の「具合悪い」ではないでしょうか。
大阪弁?!「具合悪い」の意味②
こちらが大阪弁だと思っている方も少なくない「具合悪い」の使い方。
「都合が悪い」、「体裁が悪い」と言った意味で「具合悪い」を使います。
大阪弁だと思われがちな「具合悪い」の使用例
ここでは大阪弁だと思われがちな「具合悪い」の使用例についてご紹介します。
大阪弁ぽい「具合悪い」の使用例①「都合が悪い」
友達に買い物に行こうと誘われて。
A:「買い物いかへん?」
B:「ええよ」
A:「明日は?」
B:「ごめん、明日は具合悪いわ」
ちなみにその日の予定を聞かれて、都合が悪いと答えるとき「ぺけ」という大阪弁を使うこともあります。
大阪弁「ぺけ」についてご興味のある方は下記の記事をご参照ください。
【大阪弁講座】「ぺけ」は関西以外では通じない!外国語が語源?!
大阪弁ぽい「具合悪い」の使用例②「体裁が悪い」
付き合いのあるご近所さんに、あまり気乗りしないイベントに誘われて。
A「あんたもあの子の発表会見に行くの?」
B「せやねん。
せっかく言うてくれてはるし、ご近所やし、断ったら具合悪いってオカンが言うから」
ちなみに「体裁よくやっといてくれ」という意味で「あんじょうやっといて」という大阪弁もあります。
大阪弁「あんじょう」については、こちらの記事で解説しています。
大阪弁「あんじょう」とは「味よく」が語源|意味や類義語も解説!
大阪独特の使い方だと思われがちな「都合が悪い」「体裁が悪い」という意味での「具合悪い」。
元々は標準語でしたが、時の流れとともに、関西方面以外ではこの用途で使う人が減ってきた結果、大阪弁だと思われるようになってきたのでしょうね。
先日、ご紹介した「ルンペン」という言葉も大阪弁だと思われている方もいらっしゃるようですが、標準語でした。
「ルンペン」についてご興味あるかたはぜひ下記の記事もご覧ください。
ルンペンの意味|実は大阪弁ではなく日本全国で使われていたドイツ語