花祭りになぜ甘茶|釈迦の誕生時に降った甘露に由来している

  • 2020年1月14日
  • 2020年1月16日
  • 年中行事
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あなたは花祭りをご存じでしょうか。きっとご存じない方が多いのでしょうけれど、私は随分昔に出会っていました。

高校一年生の4月8日。公立高校に落ちた私は、非モテで有名な仏教系女子高の入学式へ、重い足取りで向かっていました。校門をくぐるとそこには花で飾られた台の上に安置された小さめの仏像。…女子高に仏…女子高生なのに仏…なんか思ってたんと違いすぎる…(号泣)これが、花祭りと私の出会いでした。

仏教系の学校、幼稚園などでは学校行事としているところもあるようですが、私のようにそんな学校へ通わない限り、なかなか知る機会がないお祭りなのではないでしょうか。

花祭りは4月8日に行われる仏教の開祖、釈迦の誕生祭です。校門で私が見た、花で飾られた台は花御堂と呼ばれ、中央に置かれた甘茶をはったお盆の中に仏像を置き、人々はこれに甘茶をかけ、無病息災を願います。仏像に甘茶をかけるのは釈迦の誕生時に甘露が天から降ったことに由来します。

聖徳太子の時代に飛鳥寺で始まったと言われる花祭り。今では日本全国で大体的に祝われるものではなくなってしまいましたが、各地の名高いお寺では花祭りが一大イベントとなっているところもあります。

今日は、そんな花祭りについてみていきたいと思います。

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花祭りの甘茶は、釈迦の誕生時に降った甘露

花祭りは釈迦の誕生を祝うお祭りですが、釈迦の誕生については、甘茶の由来となっている甘露が降ったということも含めて伝説が残されています。

釈迦の誕生伝説

釈迦の母、マーヤー(摩耶)夫人は白い像が体内に入る夢を見て懐妊されました。臨月となったマーヤー夫人が垂れ下がった花の枝をとろうと、腕を伸ばしたとき、右わきから釈迦が産まれました。産道を通らず、まるで天から降臨してきたかのように生まれた釈迦は、光り輝いていて、7歩歩き「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。

私の通っていた非モテ女子高では、仏教の授業もありまして、先生が仏のように優しいのをいいことに、半分寝ながら聞いていたのですが、この話で、目が覚めたのを覚えています。

わきから産まれて、すぐに歩いて放った言葉が「天上天下唯我独尊」だと…?!

私は「天上天下唯我独尊」という言葉を、赤ん坊のくせに「この世は俺のもの」と言ったと思いっきり無礼な勘違いをしてびっくりしたのですが(あと脇から産まれてすぐに歩いてしゃべったという超人ぶりにも反応した)、「我」とは自分という意味ではなく、人間そのもののことを指し、「この言葉は人間という存在は尊いよ。」ということをおっしゃられたのでした。さすが、赤ちゃん時代から悟ってらっしゃいます。

そして、そんな釈迦の誕生を祝福するかのように、天からは甘露の雨が降り、地には花の香りが充満したそうです。なんだか美しい場面ですね。

寺院では花御堂を設置し、参拝者は仏に甘茶をかける

この釈迦誕生の場面を表したのが花御堂で、花で飾られた台に、中央に置かれた甘茶をはったお盆の中に仏像が置かれます。

甘茶は、釈迦が誕生したときに天から降った甘露に由来し、一種の神秘的な霊水と考えられています。甘露が天から降れば苦が滅せられ幸せが訪れるとされているので、人々はこの甘茶を仏にかけ、また自らも口にし、無病息災を祈るのです。

最初の花祭りは飛鳥寺 現在の花祭りは小規模に

花祭りが日本で最初に行われたのは飛鳥時代。聖徳太子が政治を行ってい、時の天皇が推古天皇だった時代に、蘇我馬子によって建てられた飛鳥寺で行われたのが始まりです。

その後、仏教の普及とともに多くの寺院で行われ、全盛期には、東京では護国寺(文京区)、増上寺(港区)、鎌倉の円覚寺、京都の東、西本願寺、大阪の四天王寺などの花祭りは特に有名でしたし、東京の日比谷公園でも花祭りの催しが行われていた時代もあったようです。

そんな花祭りですが、時代の流れとともに花祭りだけのために参拝する人は減っていき、今では随分お祭りの規模は小さくなってしまいました。

規模は小さくなったものの、寺院では今でももちろん花祭りを行い、釈迦の誕生を祝っています。花御堂の中に安置された仏さまに、仏様の誕生を祝いながら、天から降った甘露のごとく、苦が消え去り幸せがやってくることを思いながら甘茶をかける。そして自身と家族や大切な人たちの無病息災を静かに祈る。そんな春の一日があってもいいのではないでしょうか。

ちなみに高校時代の私のその後はというと、意外にも非モテ女子高での三年間を楽しみました。もしかしたら花祭りのご利益かもしれません。行きも帰りも花御堂の横を素通りして帰りましたけど。ほら、仏さまはどんな人間も見捨てたりなさらないし。天上天下唯我独尊ですから。

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