亡くなった姉への哀悼の意こそがひなまつりの歌詞に作詞者が秘めた意味

  • 2019年12月15日
  • 2019年12月31日
  • 年中行事
  • 121view
  • 0件

こんにちは!nikoです!

バレンタインデーも無事終わった2月後半。スーパーやデパートといった小売店に入ると、流れてくるのは「あかりをつけましょ ぼんぼりに~♪」そう。今度はひなまつりです。

「きょーぉは楽しいひなまつり~♪」とかいうわりに軽快さがなく、どこか陰気ともいえるメロディ。この暗さは何ゆえ??

実はひなまつりのこの歌は、作詞者サトウハチロー氏がわずか18歳という若さで逝去した実の姉を思って書かれたとされる個所があり、さらにこの歌を作った時期というのが、サトウ氏が、離婚直後というあまり幸せとは言えない中で作られた歌なのです

そして、ひなまつりの歌詞には数か所間違いがあり、サトウ氏自身もそのことを知っており、生前はこの歌を聞くのを非常に嫌がったという、諸々の事情のある歌なのです。

本日は、そんなひなまつりの歌詞について解説していきます!

スポンサーリンク

お嫁にいらした姉さまとは亡くなってしまった実の姉のこと

ひなまつりの歌の2番に「お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白い顔」という個所がありますが、この「お嫁にいらした姉さま」というのが、18歳という若さで亡くなったハチロー氏の実の姉のことを指していると言われています。

ん?お嫁にいらした?ちょっと変じゃないか?

現代では「いらした」は「こちらにいらした際にはぜひ連絡くださいね」というふうに使い、「来る」の尊敬語ですよね。ということは、サトウ家に嫁に来た義理の姉のことじゃないの?

「いらした」には「あちらにいらした際にはね、ぜひ、あのお店に行かれるといいわよ」みたいな、ちょっとお上品な奥様や黒柳徹子氏が使いそうな「いらした」もあり、この場合は「行く」の尊敬語ということになります。つまり、「お嫁に行かれたねえさま」。サトウ氏のお姉さんのこととなります。

え?でもちょっと待って!身内に敬語って!おかしくない?

もし、身内に敬語を使うなら、今現在、その身内の身分が自分より高くなり、敬語を使わなければならないお立場になられてしまった、ということです。皇族に嫁がれた方には、たとえその方のご両親であっても敬語を使われてますよね。

ということは、ねえさまはとても高い位へ嫁がれた。高い位とは神様。

ねえさまは神様の元へ嫁がれたと解釈できるのです。

ハチロー氏には4歳年上の姉がおり、とても優しく、ハチロー氏はお姉さんのことが自慢で大好きでした。そのお姉さんも年ごろになり嫁ぐことになりますが、結婚前に、当時は不治の病とされていた結核にかかってしまい、破談となってしまいます。そのしばらく後、18歳という若さで、お姉さんは神様の元に旅立たれた……神様のお家へお嫁にいらしてしまったのです。

女の子の節句であるひなまつりは、子供が健やかに育ち、ゆくゆくは幸せな結婚ができるようにという祈りの行事でもあります。

「うれしいひなまつり」の歌に、サトウ氏はそんな祈りもこめて作ったのでしょうね。

うれしいひなまつりは悲しいひなまつり

「うれしいひなまつり」を作詞したころ、ハチロー氏は最初の妻と離婚直後。女の子2人と男の子1人の3人のこどもを引き取りましたが、子供たちはまだまだ幼く、母が恋しい年ごろ。ハチロー氏は、せめてもの償いとして、寂しがる子供たちにひな人形を買い与えました。

子供たちは、買ってもらったひな人形をとても喜び、ひなまつりが終わるまでの束の間、と離れて暮らす寂しさを紛らわせることができました。

そんな子供たちの姿を見て、書いたのがこの「うれしいひなまつり」だったのです。

ちなみに、「うれしいひなまつり」は、メキシコのラテン音楽人気グループ、トリオ・ロスパンチョスが来日した際に、偶然耳にして気に入り、その後、メキシコでもリリースして大ヒットしました。彼らが発表したメキシコでのこの歌のタイトルは「悲しいみなしごの歌」。

作詞者の背景知ってたの?!って感じですが、あの物悲しいメロディーを日本語の意味もわからず聞いて、子供のための歌ですって言われたら、みなしごの歌ですか。ってなるものでしょうかね。興味深いお話しです。

 

スポンサーリンク

ひなまつりの歌詞は間違いだらけ!

そんな子供の健康と幸せを祈った歌を作ったサトウ氏ですが、ご本人はこの歌を嫌っており、テレビやラジオから流れてくると消すように家族に言ったという逸話もあります。

その理由が、ひなまつりの歌の歌詞には何か所か間違いがあるということなのです。

どこが間違いなのか、見ていきましょう。

ひなまつりの歌詞の間違い①お内裏さまとおひなさま

「お内裏さまとおひなさま」とは誰のことでしょうか?

え?何言ってんの?最上段の二人のことに決まってるでしょ?!と思った方。間違いです!お内裏さまとは、最上段の二人のことです。

お殿さまとおひなさま、2人そろったこのコンビをお内裏さまというのです。

ひなまつりの歌詞の間違い②官女

官女ってどの人のことでしょう?

「よく似た官女の白いかお~♪」というから顔の白い人でしょ!……どの人??

官女というのは宮廷にお仕えする女官のことで、通常三人官女。三人一組のトリオです。なので、三人とものことを指すことになります。

もしかしたら、ハチロー氏はそのつもりで書いたのかもしれませんが、上記の理由で間違いだとされる説もあります。

ひなまつりの歌詞の間違い③左大臣と右大臣

ひな人形を見ていると、一人だけ肌の色の違うおじさまがいらっしゃいます。

歌詞によると酒を飲んで酔っぱらった右大臣ということになりますが、この人、実は左大臣です。

おひなさまはお内裏のお二人から見て、左、右となるのが通常です。なので、赤いお顔のおじさまは左におわします。つまりは赤いお顔は左大臣ということです。

ハチロー氏は、こちらから見ての左右で右大臣としてしまったのですね。

作詞者 サトウハチロー

「うれしいひなまつり」の作詞者はサトウハチロー氏。

サトウハチロー氏は作家の佐藤愛子さんの異母兄弟です。

佐藤愛子さんのエッセイを読んだことがあるのですが、なかなか破天荒というかやんちゃというか、豪快に人生を歩んでいらっしゃる感じがとても素敵だなと思いました。

サトウハチロー氏は、「うれしいひなまつり」の他に「小さい秋みつけた」「かわいいかくれんぼ」といったかわいらしい童謡の作詞をされていることもあり、さぞかし温厚で家族思いの素敵な男性だったんだろうなぁ……と思いきや、なかなか放蕩そのものの私生活を送られていたそうで……なんだかなぁ……

佐藤家の歴史については佐藤愛子さんの私小説「血脈」に詳しく書かれていますので、ご興味持たれた方はぜひそちらを。

スポンサーリンク

ひなまつりの歌詞

ここまで解説してきてなんですが、そういえば、ひなまつりの歌、歌えますか?最近歌っていないし忘れてしまったあなたのために今一度歌詞を載せておきます。

うれしいひなまつり(作詞:サトウハチロー 作曲:河村光陽)

1 あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょ 桃の花

五人囃子の笛太鼓 今日は楽しいひなまつり

2 お内裏さまとお雛さま 二人並んですまし顔

お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白い顔

3 金の屏風に映る灯を かすかにゆする春の風

少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣

4 着物を着かえて帯締めて 今日は私も晴れ姿

春の弥生のこの良き日 何よりうれしいひなまつり

久しぶりに真剣に歌ってみようとすると、なんとうろ覚えなことか。

サトウハチロー氏をしのびながら、今年はお子さんたちと歌ってみられると違う趣になってよいかもしれませんね 。

それではごきげんよう。

ひなまつりは水浴びから始まった行事!由来を簡単に解説

スポンサーリンク