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なぜひな祭りの歌詞は怖いと言われるのか?理由と作詞背景を紹介!

ひな祭りの歌詞には怖い部分がある。そう聞いたことがある人もいるかもしれません。

ひな祭りの歌は、お祭りの歌であるはずなのに、もの悲しいメロディです。

怖い部分があってもおかしくないかもしれません。

でも実際には、怖いというよりは悲しい歌詞といえるでしょう。

この記事では、なぜひな祭りの歌の歌詞が怖いといわれているのか。

その理由と、この歌詞が作詞された背景などについて紹介します。

歌詞に込められた意味や背景を知ってみると、また違うように聞こえるかもしれませんね。

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「ひな祭り」とはどんな歌か

「ひな祭り」の歌をしばらくちゃんと聞いていない、歌っていないという人も少なくないかもしれませんね。

まずはひな祭りの歌詞や、作詞者について復習しておきましょう。

ひな祭りの歌詞をおさらい

では早速、ひな祭りの歌の歌詞をおさらいしてみましょう。

ちなみにこの歌の正式なタイトルは「うれしいひなまつり」です。

1 あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょ 桃の花

五人囃子の笛太鼓 今日は楽しいひなまつり

2 お内裏さまとお雛さま 二人並んですまし顔

お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白い顔

3 金の屏風に映る灯を かすかにゆする春の風

少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣

4 着物を着かえて帯締めて 今日は私も晴れ姿

春の弥生のこの良き日 何よりうれしいひなまつり

作詞者はサトウハチロー氏

「うれしいひなまつり」の作詞者はサトウハチロー氏。

サトウハチロー氏は、童謡の作詞を多くされている方で

「うれしいひなまつり」の他に「小さい秋みつけた」「かわいいかくれんぼ」といったものがあります。

童謡の作詞なんて、さぞかし温厚で家族思いの素敵な男性だったんだろうなぁ……

と思いきや、なかなか放蕩そのものの私生活を送られていたそうで……

サトウハチロー氏の異母兄弟にあたるのが、作家の佐藤愛子さんですが

佐藤家の歴史については佐藤愛子さんの私小説「血脈」に詳しく書かれているそうですので、

サトウ氏の人生にご興味を持たれた方はぜひそちらを読んでみてください。


ひな祭りの歌詞が怖いといわれる訳

では「うれしいひなまつり」の歌詞のどの部分が怖いといわれているのでしょうか。

また、真相はどうなのでしょう?

ひな祭りの歌詞のどの部分が怖いのか

ひな祭り、歌詞、怖い

「うれしいひな祭り」の歌詞のうち、怖いといわれているのは

ひなまつりの歌の2番。

「お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白い顔」という個所です。

この「お嫁にいらした姉さま」というのが、

18歳という若さで亡くなったハチロー氏より4歳年上の、実の姉のことを指していると言われています。

童謡という子どもの歌に、死の影がちらつくために怖いといわれているようです。

実際は作詞者の哀悼の意がこめられた部分

ひな祭り、歌詞、怖い

さて「お嫁にいらした姉さま」という表現ですが、何だか引っかかった人もいるのではないでしょうか?

自分の姉のことを指しているなら「いらした」というのは、おかしいんですよね。

現代では「いらした」というのは「来る」の尊敬語のこともありますが

サトウ氏の実のお姉さんのことを指しているので、「行く」の尊敬語ということになります。

なぜ身内に敬語を使うのでしょう?

身内のことは謙遜して謙譲語を使うことはあれど、尊敬語を使うというのはあまりしません。

もし、身内に敬語を使うなら、

今現在、その身内の身分が自分より高くなり、敬語を使わなければならないお立場になられてしまった、ということ

皇族に嫁がれた方には、たとえその方のご両親であっても敬語を使われてますよね。

ということは、ねえさまはとても高い位へ嫁がれた。

高い位とは神様。

ねえさまは神様の元へ嫁がれたと解釈できるのです。

 

サトウ氏のお姉さんはとても優しい人で、サトウ氏にとっては自慢の大好きなお姉さんだったそうです。

そのお姉さんも年ごろになり嫁ぐことが決まるのですが、

お嫁に行く前に、当時は不治の病とされていた結核にかかってしまい、破談となってしまいます。

そしてそのしばらく後、18歳という若さで、お姉さんは亡くなってしまいます。

神様のお家へお嫁にいらしてしまったのです。

 

女の子の節句であるひなまつりは、子供が健やかに育ち、ゆくゆくは幸せな結婚ができるようにという祈りの行事でもあります。

サトウ氏は亡くなってしまったお姉さんのことをしのび、哀悼の意を込めて作詞したのでしょうね。

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「うれしいひな祭り」の背景は悲しいひな祭り

ひな祭り、歌詞、怖い

「うれしいひな祭り」の歌詞を作詞した頃のサトウ氏の状況も、なかなかつらいものでした。

実はこのころ、サトウ氏は最初の妻と離婚直後。

女の子2人と男の子1人の、合計3人の子どもを引き取りましたが、子供たちはまだまだ幼く、母が恋しい年ごろ。

母を恋しく思う日々が続きます。

ハチロー氏は、せめてもの償いとして、寂しがる子供たちにひな人形を買い与えました。

子供たちは、買ってもらったひな人形をとても喜び、

ひなまつりが終わるまでの束の間、母と離れて暮らす寂しさを紛らわせることができたそうです。

そんな子供たちの姿を見て、書いたのがこの「うれしいひなまつり」だったのです。

サトウ氏本人はひな祭りの歌が嫌いだった

亡くなった実の姉や、子どもたちのことを思って書いた「うれしいひな祭り」の歌詞ですが、

サトウ氏本人はこの歌が嫌いだったことも有名です。

テレビやラジオからこの歌が流れてくると、消すように家族に言ったという逸話もあります。

その理由は、歌詞が間違いだらけだったから。

どこがどう間違っているのかも、見ておきましょう。

ひな祭り、歌詞、怖い

ひなまつりの歌詞の間違い①お内裏さまとおひなさま

「お内裏さまとおひなさま」とは誰のことでしょうか?

最上段の二人のことに決まってるでしょ?!と思った方。

間違いです!

お内裏さまとは、最上段の二人のことです。

お殿さまとおひなさま、2人そろったこのコンビをお内裏さまというのです。

サトウ氏の歌詞のままだと、お殿様とおひなさまと、おひなさまの合計3人がいることになるのですね。

ひなまつりの歌詞の間違い②官女

官女ってどの人のことでしょう?

「お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白いかお~♪」というから顔の白い人でしょ!……どの人??

官女というのは宮廷にお仕えする女官のことで、通常三人官女のこと。三人一組のトリオです。

なので、三人とものことを指すことになります。

もしかしたら、ハチロー氏はそのつもりで書いたのかもしれませんが、

「お嫁にいらしたねえさまに」三人とも似ているとも考えづらいですね。

ということは、やはり官女はこのうちの一人のこととして、間違って書かれたのでは?といわれています。

ひなまつりの歌詞の間違い③左大臣と右大臣

ひな人形を見ていると、一人だけ肌の色の違うおじさまがいらっしゃいます。

歌詞によると酒を飲んで酔っぱらった右大臣ということになりますが、この人、実は左大臣です。

おひなさまはお内裏のお二人から見て、左、右となるのが通常です。

なので、赤いお顔のおじさまは左におわします。つまりは赤いお顔は左大臣ということです。

ハチロー氏は、こちらから見ての左右で右大臣としてしまったのですね。

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「うれしいひな祭り」の歌はメキシコでもヒット!

なんと、「うれしいひな祭り」の歌は、日本だけでなく、メキシコでも有名になりました。

メキシコのラテン音楽人気グループ、トリオ・ロスパンチョスが来日した際に、

この歌を偶然耳にして気に入り、

その後、メキシコでもリリースして大ヒットしました。

彼らが発表したメキシコでのこの歌のタイトルは「悲しいみなしごの歌」。

作詞者の背景と通ずるものがあり驚きますが、

あの物悲しいメロディーを日本語の意味もわからず聞いて、

子供のための歌ですって言われたら、みなしごの歌ですか。ってなるかもしれませんね。

なかなか興味深いです。

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