大阪弁一人称「うち」を徹底解説!実は女性言葉で子ども言葉?!

大阪弁の一人称の代表格といえば「うち」。

しかし、私の周りで使用する人はほとんどいません。ほとんどどころか皆無です。

それもそのはず、「うち」は元々女性と子どもしか使わない上に、最近では女性でも学生までくらいしか使用しないからです。

この記事では、大阪弁の一人称「うち」について、詳しく解説しています。

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大阪弁一人称「うち」は女性子ども用語

大阪弁の一人称「うち」とは、元々女性・子ども用語でした。従って、男性はまず使いません。

さらに、最近では学生までくらいしか使わず、社会人になって使う人は珍しいでしょう。

大阪弁一人称「うち」は男性は使わない

「うち」は、元々女性と子どもが使う言葉です。従って男性は使いません。

私も生まれてからずっと大阪府に在住していますが、男性が使っているのを聞いたことはありません。

たまに、関西地域以外の男性が、「うちら」とか言うのを聞くことをありますが、何だか違和感を感じます。

特に、関西圏の男性が、男性が「うちら」とか言ってるのを聞くと、気持ち悪いとすら思うようですよ。

大阪弁一人称「うち」は大人女性は使わない

最近では、「うち」を使って許されるのは、女性でも学生までです。学生と言っても、高校生までくらいでしょうか。

大学生が使ってると、ちょっと幼稚な印象を受けるかもしれませんね。社会人ともなれば、まず使いません。

特に最近では、女性言葉の印象もさることながら、子ども言葉としての印象の方が強いかもしれません。

私が幼いころは、祖母がたまに使っていた記憶があり、おばちゃんたちが使う印象のある言葉でしたが、時の流れとともに、女子学生の言葉のように変わってきたような気がします。

大阪弁一人称「うち」は目上の人の前では使わない

基本的に「うち」は、プライベートなときや親しい人と話すときしか使いません

敬語や丁寧語が必要となる目上の人に使用することは、まずないでしょう。

使用する人もいるのかもしれませんが、無礼者感が漂います。

たとえ普段、一人称として「うち」を使っていても、目上の人の前では「私」です。

大阪弁?一人称「うち」を使う地域

一人称で「うち」を使う地域は、大阪府や関西圏以外にも以下の地域があります。

  • 千葉県東総地方
  • 北陸
  • 近畿
  • 中国
  • 四国
  • 大分
  • 長崎
  • 熊本

主に西側地域ですね。東側は千葉県の一部地域だけあるのが興味深いところ。西側地域の人が移り住んだ歴史があるのかもしれません。

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大阪弁一人称「うち」の漢字と同音語「家」

大阪では一人称の「うち」の他に、他の地域と同様、家という意味でも「うち」を使います。

大阪弁一人称「うち」の漢字

大阪弁の一人称「うち」を漢字で書くと、「内」です。

大阪弁一人称「うち」の同音「家」は「うっとこ」

「うち」は「内」で、家のことを指すこともあります。

「うち、おいでよ」などという使い方は、関西に限らず、他の地域でもするでしょう。

一方、大阪には「自分の家」を指す言葉に「うっとこ」という言葉もあります

「うちのとこ」が略された言葉で、この言葉もやはり主に女性が使用する言葉です。

男性が「自分の家」と言いたい場合は「おれんとこ」が一般的でしょう。

また、「うっとこ」は「私」という意味で用いられることもあり、「私の旦那さん」を「うっとこの旦那さん」という使い方をすることもあります。

大阪弁一人称「うち」と「うちら」は異なる

「私たち」という一人称複数形として「うちら」を使うこともありますが、大阪弁には元々、「内側」という意味で「うちら」という言葉があります

これは「うちうら」が略されて「うちら」となったものです。

使用例としては、「線のうちらに入ったらあかんで」(=「線の内側に入ってはいけないよ」)といった感じです。

一人称複数形の「うちら」が女性言葉であったのに対し、「内側」という意味で使う「うちら」は男女ともに使う言葉です。

元々使用するのは年配層が多く、若年層はあまり使わない言葉でしたが、最近ではますます聞かなくなったように思います。

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大阪弁一人称「うち」と「うちら」は同義のことも

最近ではほとんどありませんが、「うちら」を「私」という意味で使っていたこともあるようです。

これは、幼い女の子が使う言葉で、「うちら知らんし」(=「私、知らないわ」)というような使い方をします。

ちなみに、私は、この使い方は聞いたことがないので、限られた地方でしか使われていないか、廃ってしまった使い方ではないかと思います。

大阪弁一人称「うち」は下品か

「大阪ことば辞典」によると「うち」を↓→のイントネーションで発音すると、「あんた」と同じく品が悪くなるとのことです。

このイントネーションは「火垂るの墓」の節子が言う「うち」と同じと思われます。

しかし、私の実感として、「うち」を使ったからと言って、下品だという印象はありません。

現在では、お上品とも言えないけれど、下品というわけでもなく、極めて庶民的な言葉として捉えるのが的確ではないのかなと思います。

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「うち」以外の大阪弁一人称

大阪弁には「うち」以外の一人称もあります。どれも、今ではほとんど聞かれなくなった言葉と言えるでしょう。

うち以外の大阪弁一人称①わい

「わい」は男性の一人称です。「わし」がなまって「わい」になりました。

大阪弁で、男性の一人称の場合、品がよいとされるのが「私(わたし)」であり、品がよい順に「私(わたし)」→「わし」→「わい」となります。

最上級に品のよい言葉は「私(わたくし)」です。

ちなみに、東京の場合は、「私(わたくし)」→「私(わたし)」→「わっち」だそうです。

うち以外の大阪弁一人称②わて

「わい」が男性の一人称であるのに対して、「わて」は女性の一人称です。

わたし→わたい→わてぇ→わてと変化していきました。さらに変化すると「あて」になります。

大阪弁で、女性の一人称は、品がよい順に「私(わたし)」→「わて」→「あて」です。

東京の場合は、品の良い順に「私(わたくし、又は、あたくし)」→「私(わたし)」→「あたい(又はあたし)」となります。

うち以外の大阪弁一人称③わたい

男女ともに使う、大阪弁の一人称が「わたい」です。わたくし→わたし→わたいという変化をしました。

しかし、最近では、「わたい」を使っている人を見かけたことはないので、この言葉も使用地域が限定されるか、廃ってしまったかでしょう。

大阪弁一人称「うち」はモテるのか

たまに聞いたり、ネットで見かけたりするのが、大阪弁一人称「うち」を使うとモテる説。

ほんまかいな、と思いながら調べていたところ、逆に嫌われる説も発見しました(笑)

 

これって、よく言われる方言がかわいいってやつのことですよね。

ここから私見になりますが、方言がかわいい理由は、飾っていない極めて自然体でいる感じが素敵に見えるということかと思います。狙ってないところがミソかと。

やっぱりあざとさが垣間見えると、かわいいどころかイラっと来るのが人の常。

モテるらしいからと無理やり使っても、なんだかんだで不自然さはどこかで見抜かれるもの。結局モテない気がします。

いつでも自然体な人が、無条件にモテるのではないかと思いますよ。

 

ちなみに、大阪弁の二人称についてもまとめています。こちら、すぐにでも使える情報が満載のとっても実践的に仕上がりになっております。ぜひご覧ください。

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