★当サイトの記事にはプロモーションが含まれています★

「あなた」は基本使わない!大阪弁二人称一覧&無難度他を解説

他の地方から大阪に引っ越してきて、他人から「自分」呼ばわりされて驚く人が多いと聞きます。

確かに大阪弁の二人称って独特。

他の地方から来た方は、驚くことも多いかもしれません。

この記事では、大阪弁で使われる二人称についてまとめてみました。

最近大阪に引っ越してきた方は参考に、生粋の大阪人の皆様は、ご自身の使い方はこの通りかチェックしつつ、ツッコミはぜひコメント欄にお願いします。

スポンサーリンク

大阪弁二人称一覧|大阪弁で「あなた」に相当する言葉たち

今回、大阪を始め関西地方で使われる二人称を一覧にし、さらに大阪(北摂)在住歴約40年をほこる筆者の独断と偏見による「無難度」「仲良し度」「お上品度」「お怒り度」もつけてみました。

「無難度」とは、初対面の人、またはそれに近い人に使うのに適しているか。

「仲良し度」とは、友達同士や知り合い同士など、普段の会話に使うのに適しているか。

「お上品度」とは、その言葉を使った場合、どれくらい品よく聞こえるか。

「お怒り度」とは、喧嘩や言い合いになった際に、その二人称を相手が使った際、どれくらい怒っていると判断されるか。

それぞれ★を使って表しています。

相手を表す言葉無難度仲良し度お上品度お怒り度
あなた★★★★
相手の名前★★★★★★★★★★★★★★
自分★★★★★★★★★★★★
あんた★★★★★★★★
お前★★★★★★★★
おのれ・おどれ圏外圏外★★★★★
われ圏外圏外圏外★★★★★
おたく★★★★★★★★★
あんさん・あんたさん★★★★★★★★

大阪弁における「あなた」①「あなた」

相手に「あなた」呼ばわりされると、なぜか緊張感を覚えるのは私だけでしょうか。なんかぴりっと聞こえる気がするんですよねぇ。

大阪で相手のことを「あなた」という人は、まずいません。

長年大阪にいて、まれに「あなた」を使う人に出会いましたが、関西地方以外の出身であることがほとんどでした。

テレビを見ていると、旦那さんのことを「あなた」呼ばわりしているのを見かけることがありますが、これも関西ではまず聞かれない呼び方です。

大阪のおばちゃんたちは、旦那さんのことは「あんた」か「お父さん」と呼ぶことが多いです。

「あなた」の無難度…★

「あなた」を初対面の人に使うのは、関西ではあまり無難とは言えません。

というのも、ちょっと高圧的に聞こえたり、突き放した言い方に聞こえることがあるからです。

逆にちょっと目上の立場で、相手に注意したりするなど、威厳を示したい場合などは有効かもしれません。

「あなた」の仲良し度…★

上述のとおり、「あなた」はちょっと突き放した上からの物言いに聞こえるので、関西出身の友達同士で使うことはまずありません。

「あなた」のお上品度…★★★

「あなた」は、間違っても下品に聞こえることはありません。ですが、関西で使うのは違和感があるので、上品に見せかけたいからと使う人はいません。

品は、別のところで演出します。

「あなた」のお怒り度…★

「あなた」を使って怒られた場合は、相手の怒り具合はそこまで高くないでしょう。

というのも、大阪弁話者が普段使わない「あなた」をわざわざ使うということは、まだ心に余裕がある証拠です。「あなた」を使って烈火のごとく怒るのはなかなか難しい芸当ではないでしょうか。

ただ、既出のとおり、相手を突き放した言葉でもあるので、実は静かに怒り心頭に発していて、冷静に相手を非難している可能性も否定できません。

大阪弁における「あなた」②相手の名前(三人称)

大阪において、最も一般的な「あなた」に相当する言葉は相手の名前です。

これは、大阪に限らず全国各地共通なのではないでしょうか。

「相手の名前」の無難度…★★★★★

相手の名前で相手のことを呼びかけるのは、最も無難です。これは全国どこでも共通で、言わずもがなですね。

「相手の名前」の仲良し度…★★★

無難ゆえ、仲良しかどうかは不明です。仲良い人同士のこともあれば、あまり仲良くない場合もあります。

「相手の名前」のお上品度…★★★

お察しのとおり、相手の名前で呼んだからといって品がどうのこうのもないです。

「相手の名前」のお怒り度…★★★

これも状況により、一概には言えません。

大阪弁における「あなた」③「自分」

関西以外の地方から来た人が最も困惑する二人称が「自分」。関西地方特有の使い方かと思いきや、実は、三重、大分、千葉、新潟でも使われることがあるそう。

特に若年層で、友達同士で使われることが多く、女性よりは男性が使うことが多いようです。

「自分」の無難度…★★

「自分」は基本的に親しい人同士で使われます。まだ親しくもなっていない初対面で使うのは、キャラにもよりますが若干危険です。

特に、目上の人には間違っても使わない言葉なので、初対面で「自分」を使ってしまうと、上から目線であるように感じられてしまう可能性もあるかもしれません。

相手とある程度仲良くなってから使うのが無難な言葉です。

「自分」の仲良し度…★★★★

「自分」は基本的に、友達同士など気の置けない間柄で使う言葉です。男女差が少しあり、女性に呼びかけるよりは、男性に呼びかけるときに使われることが多いでしょう。

また、目下の相手に呼びかけるときにも使います。

「自分」のお上品度…★★

「自分」はかなりくだけた言い方に相当するため、品がないとは言いませんが、上品だとも言い難い言葉です。

「自分」のお怒り度…★★★★

怒っているときに「自分」が出てくるときのお怒り度は、普段使っている二人称にもよります。普段「自分」を使わない人が、「自分」を使って怒っているときは、かなり怒っている可能性が高いです。

大阪弁における「あなた」④「あんた」

「あんた」は、女性が使う印象が強い言葉です。男性同士で使っているのはあまり聞かないかもしれません。

全国で使われているかもしれませんが、関西の場合、アクセントが独特です。ちびまる子ちゃんが使う「アンタ」とは違います。

「あんた」の無難度…★

「あんた」はかなり親しい間柄でないと使わいません。目上の人に使わない言葉なので、初対面の場合など、礼節を重んじたい場面で使うのは不適当といえるでしょう。

「あんた」の仲良し度…★★★★

女性同士で言い合う場合はかなり仲がいいでしょう。女性から男性に呼びかける場合も、旦那さんに代表されるようにかなり親しい間柄の場合のみ。

男性同士で呼び合う場合はまれですが、男性から女性に対して使う場合もかなり親しい女性に限定される言葉です。

「あんた」のお上品度…★

「あんた」はお上品とは言い難い言葉です。たとえ、うら若き乙女であっても「あんた」呼ばわりした時点で、おばちゃん臭が漂い始めますね。

「上品な私」を演出したい場合は使わない方がよいです。

「あんた」のお怒り度…★★★★

気の置けない間柄で使用される「あんた」は、怒りを思いっきり解放する場面でも使われがち。特に普段「あんた」を使わない人が使うときは、お怒り度は相当と見てよろしいかと。

「あんた」にまつわる早口言葉

小学生の頃に、ものすごく流行った早口言葉がありました。

「アンタあたしのこと『アンタアンタ』言うけど、あたし、アンタのことアンタ言うたことないねんから、アンタ言わんといてくれる、アンタ」

ものすごく気に入って、一生懸命練習した覚えがあります。

調べてみると、関西地方以外でも子供の頃流行っていた地域もあるもよう。

初めて聞いたという人は、ぜひ練習してみてください。

大阪弁における「あなた」⑤「お前」

「お前」も全国で使われていますし、用途も基本的に標準語と大差ありません。

「お前」の無難度…★

もちろん初対面の人に使うのは失礼です。

「お前」の仲良し度…★★★★

「お前」は大阪でも男性が使うことが多いです。男性同士の場合、「お前」で呼び合うのは気を許した仲ですし、男性から女性に使う場合もよほど仲がよくないと使えないです。

「お前」のお上品度…★

「お前」を使うのはお上品とは言えません。女性が使うと特に品がなく見られてしまうのは、標準語の場合も同じかと思います。

「お前」のお怒り度…★★★★

普段、「お前」と言わない人が、「お前」と言って怒っていたら、かなりのお怒り度であることはお察しのとおりです。

大阪弁における「あなた」⑥「おのれ・おどれ」

元々は広く使われており、江戸時代の文学作品のセリフでも出てきますが、現在では河内地方から大和地方にかけての一部の地方でのみ使用されており、あまり聞くことはありません。

基本的に人を罵る言葉で、「おんどれ」となることもあります。

「おのれ・おどれ」の無難度…圏外

初対面の人にこの言い方をすると、普通にびっくりされます。

「おのれ・おどれ」の仲良し度…★

基本的に喧嘩のときなど、対立するときに使われる二人称です。

最近、ヒットした漫画「極主夫道」の中で、主人公のタツさんが「おどれ」を使っていますが、やはり対立しがちな相手に使っています(漫画の中では本当は仲良しな感じですが)。

間違っても奥さんや婦人会の方々には使っていません。


「おのれ・おどれ」のお上品度…圏外

お察しのとおり、品良くは聞こえません。

「おのれ・おどれ」のお怒り度…★★★★★

この言葉を使うと、とても怖く、相当お怒りに聞こえます。下手すると友達を失う可能性すらありますので、万が一使いたいときは慎重に。

大阪弁における「あなた」⑦「われ」

「われ」も浄瑠璃のセリフで出てくることもありますが、「おのれ・おどれ」と同じくらい、今では一部界隈を除いて使われない言葉です。

基本的に人を罵る場面で使われます。

ちなみに「あなた」という意味の「われ」に対して、自分のことを指す対義語は「おれ」になります。

無難度…圏外

初対面の人に使うものではありません。言われた相手は相当びっくりすること間違いありませんし、その後は警戒されることうけあいです。

仲良し度…圏外

基本的に人を罵るときに用いる言葉なので、お互いが仲良しであることはありません。

喧嘩するほど仲が良いとも言いますが、お互いを「われ」呼ばわりしながら喧嘩している場合は、修復不能くらいの仲なのではないでしょうか。一触即発で殴り合いの喧嘩が始まりそうです。

お上品度…圏外

もちろん品のよい言葉ではありません。

お怒り度…★★★★★

この言葉を使って怒られると、相当怖く聞こえ、凄みを感じます。お怒り度マックスでしょう。

大阪弁における「あなた」⑧「おたく」

「おたく」は頻繁に聞かれる言葉ではなく、使用する年齢層は比較的高めな印象の言葉です。

実は「おたく」は「おうち」という「あなた」より敬意のこもった二人称のさらに堅苦しいバージョンの言葉。

「おうち」が親しい間柄の目上の人に使うのに対し、「おたく」はあまり親しくない者同士、多少仰々しい場面で使われていたようです。

無難度…★★

元々相手に対する敬意のこめられた言葉なので、使っても失礼にはあたりませんが、現在でも距離のある相手に対して使うことが多いので、多少突き放したように聞こえるかもしれません。

仲良し度…★

上述のとおり、距離を感じる関係で使われる言葉なので、親しい間柄で使われることはあまりありません。

お上品度…★★★★

元々「あなた」に敬意をこめた表現なので、下品ではないです。

お怒り度…★★★

分別ある大人同士が口論の際に使う印象です。

元々相手に敬意を示す言葉ではあるものの、親しみは感じない間柄で使われる言葉なので、相手を突き放したようにも聞こえ、口論の場面で使われると、冷静に文句を言われている印象を受けます。

大阪弁における「あなた」⑨「あんさん・あんたさん」

今ではほとんど聞かれない大阪商人言葉。「あんたさん」の略語が「あんさん」。目上の人に対して使います。

会話の間に特に意味なくつけることもあったとか。(例:「そや言うたかて、あんさん」)

このやわらかい音の響き、大阪商人らしさを感じます。

無難度…★

目上の人に対して使う言葉なので、使っても失礼にはあたりませんが、現在ではほとんど使われない言葉であるため、使うとちょっとびっくりされるかも。

仲良し度…★★

既出の「おたく」より音の響きがやわらかいせいか、突き放した感じはまるでないように聞こえる言葉です。

大阪の商人言葉だけあって、親しみを感じる言葉ではありますが、いかんせん現在ではほとんど使われないので、そういう意味で仲良し同士でも使わない言葉です。

お上品度…★★★★

目上の人に対して使う言葉なので、もちろん下品な言葉ではありません。

お怒り度…★★

現在、ほとんど使われないこともあり、「あんさん」を使って怒っているなら、心に余裕がある証拠と判断できます。

 

以上、大阪弁における二人称をまとめてみました。改めてまとめてみると、普段何気なく使っている言葉の色が見える感じがして面白いものでした。

みなさまにも面白がって頂けると嬉しいです。

ちなみに、大阪弁一人称については、こちらの記事で紹介しています。この記事と併せてぜひ、ごらんください。

関連記事

大阪弁の一人称の代表格といえば「うち」。 しかし、私の周りで使用する人はほとんどいません。ほとんどどころか皆無です。 それもそのはず、「うち」は元々女性と子どもしか使わない上に、最近では女性でも学生までくらいしか使用しないからで[…]

スポンサーリンク